こばとの英語ノート

 言葉の妖精こばとの変てこな日常生活を英語を織り交ぜながら綴っています。こばと英語辞典も製作中。いつかは英語の総合サイトだって威張れるようになりたいな。何はともあれ、『こばとの英語ノート』をよろしくね!

封じられた理由

≪ 前回のお話はこちらです

Ring of Maha-Nedann Ⅰ 封じられた理由

かばね
 あれは私たちが京の都を出ることになった数年前のことよ。私はいつものように、こばとを連れて人目につかない木立の中に入って指輪を起動した。

こばと
 うん。覚えてる。
 いつもそうやって色々なことをお勉強したんだよね。

かばね
 こばとにも、向こうの世界の言語、歴史、科学、数学などを一通り学ばせておきたかったら。でもあの日、一人の女孺(にょうじゅ:御所内の雑事を司る女官)にその様子を目撃されてしまったの。人一倍好奇心の強い人だったから、いつも私たちが何をしているのか確かめようと、こっそりあとをつけて来たのよ。

こばと
 覚えてる。
 姉さんとその女官の間で何か言い合いになったよね。

かばね
「ここで見たことは誰にも言わないように」と念を押したけれど、またたく間に宮中に噂が広まってしまった。なかには「面妖な術を使う生き物」というような目で見る人もでてきた。

こばと
 それまでは姉さんのことを「紫蝶殿」と敬意を込めて呼んでくれていた人たちだったのに、なんだか悲しかったな。

かばね
 そして公家の中には、単なる好奇心から「その術を見せてくれまいか」と言ってくる人も現れるようになった。だから私はしばらくの間、京の都を離れることを決意したわ。

真理子
 住み慣れた都を離れるのは辛かったでしょうね。

かばね
 それは仕方のないことだけど、それ以上に指輪を使い続けることに不安を感じていたの。また誰かに見られたら騒ぎになる ...... だから ...... 合言葉で機能を封じ込めることにしたの。

こばと
 どうして相談してくれなかったの?

かばね
 こばとが猛反対するのはわかっていたから。
 こばとは指輪が映し出す姉さんたちの姿を見るのを本当に楽しみにしていたから。ごめんなさい、本当にごめんなさい。でも怖かったのよ。この先時代が進めば、指輪の力を手に入れようと、私たちから強奪を企むような人が現れるかもしれない ...... そう思ったから ...... でも、やっぱり相談するべきだったわね。ごめんね、こばと。

 姉は両手で顔を覆って泣き出してしまいました。
 そんな姿を見ていると、さすがにそれ以上は姉を責める気にはなれませんでした。

こばと
 でもやっぱり封印を解いてほしいな。
 こばと、久しぶりにまた姉さんたちに会いたいな。

かばね
 ......

こばと
 どうしてもダメ?
 誰もいない保管庫で見るだけだよ?

博和
 かばねさん、そこまで神経質にならなくても、直接見ない限りそんな指輪の存在を誰も信じませんよ。

真理子
 うん。誰だってフィクションだって思うよね。
 ところで、私たちもついて行っていいですか?

かばね
 ...... もしかして博和君とマリちゃんは、指輪が起動するところを見たくてそんなことを言ってるの?

真理子&博和
 ......

かばね
 ...... でもそうね。考え過ぎなのかもしれない。
 ...... いいわ。マハネダンの指輪の封印を解きましょう。
 その代わり、絶対にあの場所から外に持ち出さないと約束してちょうだい。

こばと
 うん! 約束する!

博和
 ところで、僕たちもついて行っていいですか?

かばね
 ...... 今回だけよ。

 ≫ マハネダンの指輪② 「解かれた封印」 に続きます
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 [ 2017/11/05 16:52 ]  こばとの思い出 | TB(-) | コメント(0)
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