こばとの英語ノート

 言葉の妖精こばとの変てこな日常生活を英語を織り交ぜながら綴っています。こばと英語辞典も製作中。いつかは英語の総合サイトだって威張れるようになりたいな。何はともあれ、『こばとの英語ノート』をよろしくね!

とても心配したそうです

≪ 番外編⑦「英語で叱られます」

 ええと、大きな事件が終わって、いつもの生活が戻ってきたわけですけど、なんだか涼音さんの様子が変なのです。

番外編⑧「とても心配したそうです」

こばと
 涼音さん、校正が終わりましたよ。

涼音
 そこに置いておいてください。

こばと
 ....... はい。そうだ。遅れていた自分の原稿を仕上げないとね。

涼音
 15 時までにお願いします。

こばと
 ...... はい。そういえば、アシュリンさんの姿が見えませんねー。

涼音
 南舘先生の原稿を取りに行っています。

こばと
 ...... そうですか。

 こうやって文字にすると、いつもと同じような会話に思えますけど、口調がとってもよそよそしいです! きっと昨日のことで呆れ果ててしまって、
「もうこんな馬鹿な妖精のことなんて知るもんですか。今後は会話も必要最低限にして、なるべく関わり合いになるのはよしましょう。いっそのこと転職しようかしら。そうすれば、こんな妖精の顔を2度と見なくてすむし」
と思ってるにちがいないですよー!

こばと
 しくしくしく。

 こばとは今さらながらに、仮病なんて使ったことを激しく後悔して、しくしく泣いていました。しばらくすると、涼音さんがすっと立ち上がって、こばとの机の傍まで寄って来ました。彼女は澄んだ瞳でこばとをじっと見据えています。

涼音
 .........

こばと
 あ、あの、何か?

涼音
 こばとさん、昨日私がどれほど心配したかわかりますか?

こばと
 え?

涼音
 アシュリンさんが下から何度声をかけても返事がないから、こばとさんの病状が悪化したんじゃないかと思って、心配で居ても立ってもいられませんでした。

 Suzune was really anxious about me.
 涼音さんは、とても心配してくれていたのです。

こばと
 ごめんなさい。

涼音
 仮病なんて使われるぐらいなら、いっそ黙って抜け出されたほうがよっぽどましです。

 こばとは返す言葉もなく、涼音さんの顔を見つめていると、彼女は目元に涙をたたえて、それを頬にこぼさないように必死に堪えているのがわかりました。涼音さんが入社して以来、こばとは彼女の涙を初めて見ました。

こばと
 えーん、えーん、ごめんなさいですよー。
 もう2度と仮病なんて使いませんよー。

 こばとは大泣きしながら謝りました。

こばと
 これからは黙って抜け出すことにしますよー。

涼音
 ...... いえ、できればそれもやめてください。

 涼音さんは指先で目元の涙を拭うと、軽く微笑んで、自分の机に戻って行きました。ちょうどその時、アシュリンが戻ってきました。

Aisling
 ダメだったねー。南舘せんせい、あと2日待ってくれと言ってるねー。
 おや? 涼音さん、こばとさん、何かありましたか?

涼音
 ううん。何でもないの。
 まったく、南舘先生にも困ったものね。

こばと
 あとでこばとが電話して、明日までに仕上げるように言っておきますよ。

 ≫ 後日談①「大学を去ります」
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 [ 2017/07/04 12:53 ]  こばとの大作戦! | TB(-) | コメント(0)
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