こばとの英語ノート

 言葉の妖精こばとの変てこな日常生活を英語を織り交ぜながら綴っています。こばと英語辞典も製作中。いつかは英語の総合サイトだって威張れるようになりたいな。何はともあれ、『こばとの英語ノート』をよろしくね!

追跡します!

≪ 第30話「恋愛感情も1つの要因となりうるのです」

第31話「追跡します!」

「古垣内教授、大変です! 古文書がありません!」
 武庫優美香さんの顔は青ざめていました。
「どういうことだね!?」
「私がいけなかったんです。古文書の電子化作業の途中に朗報が入ったので、皆と一緒に浮かれてしまって ...... ちょっと目を離した隙にもうなくなっていて ...... 」
「こばと君、すまない! 私が彼女に作業を頼んだんだ。私に責任がある!」
 古垣内教授は優美香さんをかばうように言いますが、
「今はそんなこと言ってる場合じゃないのねー! とにかく五十木を追わないとねー!」

「おのれ、おのれ、おのれですよー! 五十木のやつめ、これを狙って昨日からのこのこやって来ていたんですねー! 目面上君に気をとられて油断していましたよー! 今度という今度は許しませんよー!」
 こばとは研究室の窓から飛び立って、目に備えられたカジュナ・アプサス(追尾システム)を起動します。
「念のために今朝ロックオンしておいてよかったですよー。まだそれほど遠くに行っていないはずねー。半径 6 km 以内であれば捕えられますよー」
 視界にに五十木の位置を示すマーカーと矢印、相対距離が現れます。
「見つけましたよー! 逃がしませんよー!」

 I chased Ikarugi with all speed.
 こばとは全速力で五十木を追いましたよ。


 こばとの最高飛行速度は時速 40km/h 程度で車より遅いのです。しかし都内で車はあまり速度を出せないし、信号待ちもあるし、じぐざぐに道を移動しなければなりません。その点、空中では目的地まで直線で移動できるので、こばとのほうが有利です。

「あの車ですねー! 待て待て、ですよー!」
 こばとは、ちょうど信号待ちをしている五十木の車めがけて飛んで行き、フロントガラスに着地しました。ガラス越しに五十木の仰天する顔が見えたので、ちょっと愉快でした。しかし、あろうことか、焦った五十木は赤信号で車を発進させたのです!
「ひゃああああ! 正気ですかー!」
 交差点を横切る車と衝突しそうになったので、こばとは慌てて車から離れます。クラクションと急ブレーキの摩擦音が響き渡くなか、五十木はそのまま猛スピードで逃走します。こばとはどんどん引き離されますが、あんな無謀運転を警察が見逃すはずもなく、すぐにパトカーのサイレンが響き渡ります。
「そこの車、停まりなさい!」
 繰り返される警告も無視してさらに逃走を試みる五十木でしたが、2台のパトカーに追い詰められて、ようやく観念して停車しました。こばとは息を切らせながら追いついて、
「そいつ、泥棒なのねー!」
 警察に問い詰められている五十木を指差して叫びました。
「なにい!?」
 警官がよりいっそう怖い顔になって五十木を睨みつけます。
 五十木は「もはやこれまでか」とがっくりと項垂れました。

「かくして古文書を無事取り戻すことができましたよー♪」
 こばとは軽快なステップを踏みながら武勇伝を披露します。
「すごいねー。今回は本当にこばとちゃんのお手柄だ」
 千明さんが拍手をしてくれたので、こばとはよりいっそういい気になって、
「どうってことないのねー♪ これがハイブリッドな工学生命体こばとちゃんの実力なのねー♪」
とまたステップ、ステップ、ランランラーンです。
「どんだけ調子にのってんだよ、まったく」
 茶之原が肩をすくめます。
「でも、こばとちゃんって物怖じしないよね。こんなに小っちゃいのに、相手が五十木さんだろうと阿縣教授だろうと、ちっとも怖がらない。そこは本当にすごいと思うな」
 優美香さんが褒めてくれました。
「こばとは無敵ねー! こばとに怖い人なんていないのねー!」
 もうこれ以上ないくらい天狗になっていました。この時は、こばとにも羽根が震えるほど怖い人がいることを、すっかり忘れていたのです。

≫ 番外編⑥「お家に帰れない」
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 [ 2017/07/03 16:22 ]  こばとの大作戦! | TB(-) | コメント(0)
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