こばとの英語ノート

 言葉の妖精こばとの変てこな日常生活を英語を織り交ぜながら綴っています。こばと英語辞典も製作中。いつかは英語の総合サイトだって威張れるようになりたいな。何はともあれ、『こばとの英語ノート』をよろしくね!

英語で「最悪の事態に備えましょう」

≪ 第22話「張り込みます!」

英語で「最悪の事態に備えましょう」

「 ...... そう。暦ちゃん、目面上君と一緒に住んでいたんだ」
 K 大に戻ると、こばとは、とりあえず千明さん1人を呼んで真相を伝えたのです。
「どうします?」
 こばとは力なく訊きます。
「このまま目面上君を放っておくわけにはいかないでしょう」
 千明さんは俯いたまま悲しそうに答えました。
「でも、大学が警察に被害届を出さない限りは、こばとたちには、これ以上どうしようもありませんよ。阿縣教授はこの期におよんでまだ知らぬ存ぜぬという態度ですからね」
「まずは古垣内教授に相談しましょう。それから申し訳ないけど、小夜子さんたちを呼んでくれないかしら?」
 千明さんは顔を上げると、強い眼差しでこばとを真直ぐに見つめます。

「もう学内の誰もが、阿縣研で異常なことが起こっていると感づいている。学長だって、このまま放置しておけないはずだ。私が雛田谷(ひなたや)学長に直談判してみよう」
 古垣内教授はそう言って頷いてから研究室を出て行きました。
 土曜日ですが、緊迫した事態が続いているので、学長も大学に来ているようです。
 いえ、しかし、どうもまた嫌な予感がしますよ。

 遠い昔に尾張で丹羽長秀様から兵法を教わっていたときに、諭された言葉がふと頭をよぎります。
「戦とは常に最も悪い事態に陥ることを想定し、先に手を打っておかねばならない。こばと殿はなかなか面白い作戦を考えるが「もしそれが上手くいかないときはどうするか」という視点が抜け落ちている。だから戦にはむかない」

 というわけで、こんな時になんだけど、今日の例文ねー。

 We need to prepare for the worst.
 最悪の事態に備えておく必要があります。


 目面上君が真に作戦立案能力に優れた司令官だとするなら、万が一に備えてどうしますかね ...... と恰好つけて考え込んでみたところで、こばとは戦の勝敗を当てたためしがないですからね。この方面にはまったく才能がなさそうだということを、大東亜戦争が終わったときにようやく悟りましたよ。

 古垣内教授と雛田谷学長の話は長引いているようです。
 その間に小夜子さんと路子さんが到着しました。
「で、五十木(いかるぎ)は?」
 小夜子さんは開口一番、そう尋ねたのです。小夜子さんにしてみれば、捕えたいのは目面上君よりも、むしろ五十木のほうなのです。
「さあ。赤桶さんが、あんなおっさんを家に匿うとは考えにくいですからね。どこか別の所に隠れ家があるんじゃないですか?」
 こばとがそう言うと、小夜子さんは大きな溜息をつきました。
「とにかく、目面上君を捕まえれば、彼の口から五十木の居場所について知ることもできますよー。たぶん」

 古垣内教授が浮かない顔で戻ってきました。
「申し訳ない。学長を説得できなかったよ。『とにかく警察はダメだ』の一点張りだ」
「きききい! まだ大学の体面なんてものを気にしているんですかー! こうなったら、こばとが学長室に乗り込んでやりましょー!」
「もちろん体面もあるが、それだけじゃない。実は学長宛てにも目面上君から一通のメールが届いていたようなんだ」
「え? メール?」
「警察に届ければ、学内の全てのコンピュータに対して総攻撃を敢行すると脅してきたそうだ」
「ぎゃああああ! やっぱり先手を打たれていましたねー! 阿縣研ですら防げなかった攻撃ですから、他の研究室が狙われたらイチコロねー!」
 こばとは混乱のあまり、こばとちゃんダンスを踊ってしまいましたよ。
「錯乱するな。落ち着け」
 小夜子さんに襟首をひょいと掴まれて、小さな手足をばたばたさせました。

 ≫ 第24話「目面上君の要求」
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 [ 2017/07/01 17:57 ]  こばとの大作戦! | TB(-) | コメント(0)
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