こばとの英語ノート

 言葉の妖精こばとの変てこな日常生活を英語を織り交ぜながら綴っています。こばと英語辞典も製作中。いつかは英語の総合サイトだって威張れるようになりたいな。何はともあれ、『こばとの英語ノート』をよろしくね!

仕事を完成させました!

 ≪ 第11話「目面上君は孤独な青年でした」

 やはりどうも胸騒ぎが収まらなかったので、午後になってから、こばとは薩田千明さんに次のようなメールを送っておきました。
「千明さん、こばとたちが古文書のレプリカを作っていること、赤桶さんに教えましたか?」
 5分ほどして返信がありました。
「いいえ。彼女は口が堅いと思いますし、信用しないわけではないですけど、私もこれは極秘作業だということは十分に承知していますから、私の口から外部にもらすことは絶対にしません」
 ほっとしました。でもその文面から千明さんがなんとなく気分を害したような気がするので、こばとはもう1度、謝罪のメールを送っておきました。それからもう1人、きっちり口止めしておかなくてはいけない人物がいることに気づいて、慌てて地下へ降りて行きましたよ。

「茶之原ー! この作業について、あちこちでぺらぺら喋ってたりしていないでしょうねー!?」
「え? まだ喋ってないけど、喋っちゃだめなの?」
「おまえはアホか、ですよー! 喋ったらただじゃおきませんよー!」
「なんかそう言われると、余計に喋りたくなってきた」
 こいつとは精神的な意味で別々の惑星に住んでいる。
 こばとはそう確信しましたよ。
「ていうか、なんで用もないのに、ここにいるんですかねー? 清源君の仕事の邪魔をしないでくださいなー」
「邪魔なんてしてないよ。こうやって静かに読書してるだけだ」
「なんかまた勝手に読んでるしー! それにただの読書じゃないしー! 大量にコピーとかとってるしー!」
「今のうちに論文に使う資料を掻き集めているんだ」
 こいつと3分話すと、こちらの寿命が1分縮む。
 こばとはそう確信しましたよ。

 それから、こばとはオフィスに戻って自分の仕事をしました。
 そして午後5時を回った頃に、武庫優美香さんが手伝いに来てくれて、さらに1時間ほど経つと、清源君から「終わった」というメールが届いたのです! こばとは急いで地下へ飛んで行きました。
「思った以上に早かったですねー! 清源君、優美香さん、本当にありがとうですよー!」
「どういたしまして」
 優美香さんはそう答え、
「さすがに、ぶっ通しの作業でちょっと疲れたな」
 清源君はそう言って右手で自分の肩をほぐします。
「苦労したぶんだけ、達成感もひとしおだよなあ」
 茶之原が図々しくもそんなことを言いました。
「おまえは何もしとらんわ!」
 こばとは拳をぶんぶん振ります。

「それでは、いよいよ本を綴じましょー! 『四つ目綴じ』にするので、千枚通しを使って4つの穴を開けてくださいなー」
 優美香さんが器用な手つきで穴を空けていきます。
「それから用意しておいたこのマニュアルにしたがって、糸を通して結んでださいなー」
「それは俺に任せろ」
 茶之原が糸を通し始めますが ......
「あれ? こっちにこうして、それからこうか? 何だかこんがらかってきた」
「茶之原は何もせんでええわ!」
 というわけで、やっぱり仕上げは優美香さんに任せましたよ。そして ......

 We had completed the work!
 ついに仕事を完成させましたよ!


「やりましたねー! 見事ですねー! 本物と寸分違わぬ出来栄え ...... 」
 そう言いかけて改めて本物と見比べてみると ......
「なんかやっぱり、だいぶ違うね」
 優美香さんは、ちょっとがっかりしたように言いました。
「レプリカのほうは、いかにも『最近作りました』という感じがする」
 清源君が付け加えます。
「そうかあ? 俺にはそっくりに見えるけどな」
 茶之原が馬鹿なことを言いました。
「視力検査を受けてくださいな」
 こばとは茶之原にそう答えておいてから、どうしたものかと腕組みします。
「しかし、もう風雨に晒したり、カビを生えさせたりして、ぼろぼろにする時間なんてありませんからねー。このまま送りましょー。最悪の場合、五十木を騙せなくてもいいんです」
「どういうこと?」
 優美香さんが何かを問いたげに目をぱちくりさせます。

 ≫ 第13話「こばとの大作戦」
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 [ 2017/06/27 21:41 ]  こばとの大作戦! | TB(-) | コメント(0)
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