こばとの英語ノート

 言葉の妖精こばとの変てこな日常生活を英語を織り交ぜながら綴っています。こばと英語辞典も製作中。いつかは英語の総合サイトだって威張れるようになりたいな。何はともあれ、『こばとの英語ノート』をよろしくね!

見知らぬ人たちが出入りしています

 ≪ 番外編②「字が上手な人、字が下手な人」

 My company is frequented by strangers today.
 今日は見知らぬ人たちが会社に出入りしています。


「いったい誰なんです、あの人たちは?」
 出勤早々、涼音さんは訝しげな顔でそう尋ねました。
「ええと、ちょっと色々ありましてね。あの人たちは地下で仕事しますから、あまり気にしないでくださいな」
「 ...... すごく気になります」
 涼音さんは大きな溜息をついて経理の仕事を始めます。
 そんなタイミングで、また面倒なのがオフィスに入ってきました。
「あれ? こっちでいいのかな?」
「ぎゃああ! どうして茶之原君が来るんですかー!」
「いや、どうせデータが復旧しないと何もすることないし、仕方ないからこっちを手伝ってやろうと思ってさ」
「茶之原君なんかに手伝ってもらう仕事はないですよー!」
「ひでえなあ。で、作業室はここでいいの?」
「ここはオフィス! 作業室は地下ですよ! 応接間から右手のドアを開けて地下へ行ってくださいな!」
「あー、あっちか。お邪魔しましたー」
 茶之原のやつは緊張感のない声で答えて戻って行くと、
「はあ」
 涼音さんがまた大きな溜息をつきました。
 おのれ、茶之原ですよー。

 仕事の合間を縫って、こばとは地下に様子を見に行きます。
「優美香さん、作業の進み具合はどうですかねー?」
 こばとは武庫優美香さんの傍に寄って尋ねます。
「少しずつ進めていますけど ...... 」
 優美香さんはそう言ってちらりと茶之原のほうを見ました。
「ん? こいつがまた何か邪魔をしましたか?」
 こばとがそう言いながら、猫背になって筆を動かしている茶之原の仕事ぶりを確認しました ......
「こ、こんな字ではどうしようもありませんよー! いらんことせんでええわ!」
「な、なんで、急に関西弁なんだよ?」
「とにかく帰ってくださいなー。優美香さんの邪魔をしないでくださいなー」
「ちぇっ」
 茶之原は筆を置いて舌打ちしました。
「茶之原君、もうすぐお昼だから、お弁当買ってきてくれないかな?」
 優美香さんが作業の手を止めてそう言いました。
「なんだよ、そんなパシリみたいな仕事かよ」
 茶之原は実に面倒くさそうな口調で言います。
「さっさと行け、ですよー!」
 こばとは拳をぶんぶん振って追い立てます。
 ぜえぜえ、あいつが来ると、いちいち疲れますねー。

 そしてまたオフィスに戻って自分の仕事を始めます。
「こばとさん、今日は玄関のロック、ずっと解除したままでいいですか?」
 アシュリンさんが尋ねます。
「うん。そうしておいてくださいな。これからも色々な人が出入りしますからね」
 なんとなく、涼音さんのキーボードを叩く音がいつもより少し大きいような気がしました。

 ≫ 第9話「綴じ糸が必要です」
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 [ 2017/06/26 12:37 ]  こばとの大作戦! | TB(-) | コメント(0)
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